ロジカルシンキング

 (T・M/30代・男性)

イメージ画像

「いま私が作業している設計書の作成ですが、スケジュールよりちょっと遅そうです。」

 

進捗報告の場で、こんな報告をされたら皆さんはどう思うでしょうか。

報告内容がこれだけだと、かなりモヤモヤしますね。もちろん、そのまま「そうですか」とはならないでしょう。

 

この報告のどこか問題なのでしょうか。

まず、「ちょっと遅れます」というのは定量的ではないため、どのくらいの遅れているのか曖昧です。

1時間遅れなのか、1日遅れなのか、はたまた1週間遅れなのか。具体的な数字が出てこないため、本人にとっては「ちょっと」でも報告を受けた側からすると「ちょっと」ではないかもしれません。

そして遅れが発生する原因が何かも触れられていません。例えば設計難易度が高くて想定している工数では完成

できないということなのか、設計内容に未解決の課題があって作業着手できないとか、色々考えられますね。

正しく原因を伝えないと、報告を受けた側はどういうアクションをとればいいかわかりません。

また、遅れに対するリカバリ策も不明です。

 

ちょっと極端な例になりましたが、何故このような報告になったのか考えてみたいと思います。

様々な要因が考えられますが、「ロジカルシンキング(論理的思考)」ができていないというのが原因の一つとして

考えられます。

ロジカルシンキングとは、情報を分解・整理して、筋道を立てて結論を導く思考法です。

 

では先の例で考えてみましょう。

まず、この報告の目的を明確にします。進捗報告なので、報告を受ける側は「スケジュール通りに作業が進んでいるか」「トラブルや懸念点がないか」あたりが気になりますね。

報告の目的に沿って内容を分解・整理してみましょう。

 

設計書を作成しているが、ちょっと遅れそう。(それはなぜ?)

 →優先度の高い別作業の割り込みがあって着手が遅れている(つまり、どういうこと?)

  →別作業の割り込みで1日遅れで着手している。設計書作成自体は当初工数通りと考える。

   →よって、スケジュールより1人日遅れが想定される。

 

このようにまとめていくと、

「いま私が作業している設計書の作成は3人日の予定ですが、1人日遅れとなります。

 遅れの原因は、優先度の高い別作業の割り込みにより1人日遅れで着手しているためです。

 作業自体は当初工数通り3人日を見込んでおり、更に作業の割り込みがなければ1人日遅れで推移する予定です。」

 

先ほどよりは報告内容がブラッシュアップされているように見えませんか?

そもそも他作業の割り込みが発生した時点で報告を上げる必要があるとか気になることがあると思いますが、

そこはあくまで一例ということで!

また、実際の現場ではクリティカルシンキング(批判的思考)との組み合わせで使うことが多いですが、字数も膨らんできたため、クリティカルシンキングについては次の機会に。

 

ロジカルシンキングは、現代のビジネスシーンでは非常に重要なスキルといえます。

ロジカルシンキングを鍛えることで、コミュニケーション能力・問題解決力の向上など様々な効果が期待できます。

もし「話がまとめられず説明が伝わらない」「報告書を整理するのが苦手」という方がいたら、ロジカルシンキングを意識してみてくださいね。